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建物賃貸借契約と残置物処理条項の有効性

建物賃貸借経営をされている方のリスク管理として最も関心を示される内容は賃借人による賃料の滞納の有無でしょう。賃貸借契約は賃貸人が物の使用及び収益を賃借人にさせ、賃借人がこれに対して「賃料」を支払うことを約束することによりその効力が認められる契約類型ですから、賃料は賃貸借契約を構成する必須の要素であり賃貸人の最大の関心事でもあります。

賃借人による賃料不払いが認められるため契約を解除する場合には、賃借人に対し支払いの催告を行なうことが原則ですが、無催告で契約を解除する特約条項も有効です。借家契約で1か月分の賃料の不払いを理由に無催告解除を許容する特約条項も催告がなくとも不合理とは認められない事情があるときは、特約条項は有効であるとする最高裁の判例(最高裁昭和43年11月21日  第一小法廷判決)もございますが、限定的な事案であり、契約の解除が認められるためには、「賃貸人に対する背信的行為と認めるに足る特段の事情」が認められることが必要で一定の期間の経過がなければ解除は有効であると認められない可能性があります。

賃貸経営者の頭を悩ませるリスクに賃借人の賃料不払いの他、賃借人の行方不明と残置物処理に関する問題があります。賃借人が賃料を払わずテレビや什器等を残して行方不明となった場合、その残置物はどのように処理すればよいのでしょうか?

賃借人が音信普通であっても原則として勝手に部屋の中に立ち入り、残置物を撤去することはできません。そのような行為は、住居侵入罪(刑法第130条)や窃盗罪(刑法第235条)を構成する可能性があります。このような場合、賃貸人としては建物明渡請求訴訟のなかで未払い賃料の支払いを求め、判決を得て、テレビ等の差押を行ない残置物の撤去を行うことが必要になります。しかし、訴訟や強制執行は時間も費用もかかるということで賃貸人の中には、建物賃貸借契約書において残置物処理条項を規定し、賃貸人が一定の場合に任意に残置物を処理できる合意を交わす場合があります。しかし、このような残置物処理条項はその有効性の点で疑義がありますので、事情如何では、後日、賃借人から不法行為責任を追及される可能性があり注意が必要です。

近年は、賃借物件における高齢者の孤独死も多く、残置物の処理について頭を悩ませておられる賃貸人の方も多いようです。保険を活用する等リスク管理を予め講ずることが大切です。

残置物の処理にお困りの賃貸人の方は京都双葉法律事務所にご相談ください!