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非公開会社の株式の価格決定 その1

会社法では、例えば、公開会社がその発行する全部の株式について、その譲渡につき、株式会社の承認を要する旨の規定を新たに設ける場合にそれに反対する株主が株式の買取りを請求する場合や単元株制度が定款で採用されている場合に単元未満株主が単元未満株式の買取りを請求する場合(会社法第116条、117条、192条、193条)等に株主と株式会社との間で株式の価格決定について協議を行なうことが予定されており、株式会社と株主との間での株式価格決定の交渉が必要となる場合が少なくありません。

証券取引所に上場されている企業等では、市場価格が形成されており、その価格算定が行き詰まり、その交渉が難航することはそれほど多くはないでしょう。しかし、市場における流動性が予定されていない非公開会社の株式は、その価格をどのように決定するかは極めて難しい問題です。

非公開会社の株式の評価を裁判所が行う評価基準としては、①配当還元方式②収益還元方式③類似業種比較方式④純資産方式等があります。

①配当還元方式は、将来の各事業年度において配当されることが期待される一株あたりの予想配当金額を基礎に株式の現在価格を算定する方式で、対外的に積極的な企業活動を展開している株式会社の株価を算定するのには理想的な方式です。

上場株式について、市場における株式譲渡によるキャピタルゲインを獲得することを目的に株式を取得される方も多いですが、良好な株式会社は、対外的活動によって得た利益をその構成員に分配するはずであり、取締役に対しては報酬という形式で、従業員に対しては賞与という形式で利益配分がなされるはずで、株式会社の構成員である株主に対しては、配当という形式で利益分配がなされます。配当性向の良い会社は業績も好調で財務基盤が充分、確保されていることが少なくなく、インカムゲインたる配当を基礎に株式の価格を算定するこの方式は株式の評価基準としては理論的に適切な方式です。

②収益還元方式は、配当還元方式と同様の方式ではありますが、将来の各事業年度に期待される一株あたりの予想配当金額ではなく、法人税課税後の一株あたりの予想純利益を基礎に株式の現在価格を算定する方式です。

③類似業種比準方式とは、事業内容が類似する企業の株価を基礎に評価対象会社の一株あたりの配当金額、利益金額、純資産価格の複数の要素を比較することで株価を算定する方式です。これは、相続財産の評価基準として採用されますが、裁判所の株価算定においても考慮されることがあります。