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株式会社の取締役の責任の減免

会社と取締役との関係は委任に関する規定に従いますので(会社法第330条)、会社と取締役との間の法律関係は、委任契約関係が成立しており、取締役は会社に対し委任契約上の善管注意義務(民法第644条)のほか、会社法所定の忠実義務(同法第355条)を負担します。善管注意義務と忠実義務との関係については、学説上は、忠実義務は善管注意義務とは別の義務であるという見解もありますが、両者の義務は異なるものでないとするのが実務の支配的見解です(最高裁昭和45年6月24日大法廷判決)。

取締役の義務違反に基づく損害賠償責任は、名目的に取締役に就任したに過ぎず、取締役として職務執行をまったく行っていない名目的取締役についてもその責任を追及される余地がありますので注意が必要です。

取締役が、善管注意義務や忠実義務を怠り、株式会社に損害を及ぼした場合には、取締役は株式会社に対し損害賠償責任を負担しなければなりません(会社法第423条)。この取締役の損害賠償責任は、総株主の同意により免責することができますが(会社法第424条)、総株主の同意による免責が認められなくても、取締役の責任が軽過失責任にとどまる場合には、株主総会の決議または定款の規定(監査役設置会社または委員会設置会社の場合)により取締役の過半数の同意(取締役会設置会社の場合は取締役会決議)によりその責任の一部を免責することが可能です(会社法第425条・426条)。

免責される責任の範囲は、取締役が株式会社から職務執行の対価として受け、受けるべき財産上の利益1年当たりの額に相当する額として法務省令(会社法施行規則第113条)で定める方法により算定される額(報酬や賞与等のほか、退職慰労金、使用人兼務取締役の場合の職務執行の対価等が含まれます)に代表取締役(代表執行役)の場合は6を、代表取締役・代表執行役以外の取締役・執行役(社外取締役を除く)の場合は4を、社外取締役の場合は2を乗じた額及び取締役が株式会社から新株予約権を引き受けた場合における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令(会社法施行規則第114条)で定める方法により算定された額の合計額を賠償責任額から控除した額を限度とします。

取締役が社外取締役である場合には、定款で定めることにより、定款で定めた額と上記方式に従い算定される額のいずれか高い額を責任限度額とする契約を定めることが可能となります(会社法第427条)。ただし、社外取締役が株式会社又はその子会社の業務執行取締役、執行役又は支配人その他の使用人に就任したときは、その契約は将来に向かって失効します。

取締役の損害賠償責任については定款により免責可能な範囲が広がっていますので、定款作成または変更の際は弁護士にご相談ください。