京都双葉法律事務所では、被疑者として任意捜査の対象とされている方、被疑者として逮捕、勾留された方のご家族の方、犯罪の被害を受け被害回復を必要とされている被害者の方を対象に最大120分までの無料法律相談を定期的に実施しています。
無料法律相談を受けられた方から当事務所の報酬概要について京都双葉法律事務所では否認事件(被疑事実:「疑いをかけられた事実」について否認し無罪であることを主張される事件)についての報酬は記載されているのに自認事件(犯罪を犯したことを認めている事件)の報酬については記載されておらず、どうしてか?というお尋ねを受けることがあります。
京都双葉法律事務所では、顧問契約先や地元で特にお世話になっている方からのご紹介を受ける等の特段の事情がない限り、自認事件の刑事弁護や少年保護事件の付添人をお引受していません。といいますのは、刑事事件では、被疑者・被告人が無罪を主張する事件では無罪判決を獲得するため刑事弁護人の力量が大きく影響を及ぼしますが、犯罪事実を被疑者・被告人が当初から認めている自認事件では、刑事弁護人の力量はそれほど重要ではなくどの弁護士が行っても一定の結果を得られる場合が少なくないことや自認事件で最も重要なことは犯罪の被害を受けられた被害者の方の被害回復ですが、弁護士に数十万という多額の弁護士報酬を支払うくらいならその金銭は被害者に支払われることが本来の筋であり、有罪であることが強く疑われる方の刑事弁護について多額の報酬をいただくことに抵抗感もあるためお引受しないことにしているのです。
否認事件の場合は、被疑者・被告人の方が無実を主張されているわけですから刑事弁護人としてはその活動において犯罪被害者の方々の被害回復とは別に被疑者・被告人の弁護活動を優先して進めることができます。しかし、自認事件の場合は、まずは犯罪被害者の被害回復が最も重要で通例は金銭による被害回復が謝罪意思の一つの表れとして模索されることになります。
国選弁護事件の場合は、弁護士は、事件を割り振られた当初、その事件が自認事件であるか否認事件であるかはわかりませんので自認事件であろうと否認事件であろうと関係なく事件を受理します。
しかし、私選弁護事件は、その事件を引き受けるかどうかの判断に際し、弁護士は、被疑者・被告人の弁解を聞いたうえ受任するかどうかを判断しますので、事件受任は徹頭徹尾、弁護士の納得に基づくはずです。弁護士のなかには犯罪被害者保護を強調しながら他方で自認事件の刑事弁護について数十万という多額の弁護士報酬を求める場合があり、犯罪被害者保護と自認事件の刑事弁護は相対立し相克することが少なくないですから、私などはその態度に首を傾げることもあります。