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法律相談30分5250円の不可思議 その2

独占禁止法は、「私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、」事業支配力の過度の集中の防止と、事業活動の不当な拘束を排除して、公正且つ自由な競争を促進等することで、一般消費者の利益の確保及び国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的に制定されました。この独占禁止法のもとで、「私的独占」や「不当な取引制限」、「不公正取引」が規制され、規制に反した場合には、公正取引委員会による排除措置命令等の是正措置が予定されています。

私的独占の問題や不公正取引については別稿に譲るとして、ここでは、弁護士会の報酬等基準規定と独占禁止法上の「不当な取引制限」の問題について触れることにします。

独占禁止法上の「不当な取引制限」とは、事業者が契約、協定、その他何らの名義をもってするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること(同法第2条6項)をいいます。複数事業者による価格カルテルがその典型例ですが、弁護士会が報酬等の基準規定を設け、弁護士報酬の最低額や価格の上限を定めることは、独占禁止法上の「不当な取引制限」に該当し、弁護士相互間の自由な競争を実質的に制限し、弁護士を利用する一般消費者の利益を損なうのではないかが問題とされました。

そこで、弁護士法の改正とともに、弁護士会の報酬等基準規定が廃止され、現在では、各法律事務所が自由に報酬基準を策定することができるようになりました。報酬等基準規定は廃止されているのですが、旧例に従い未だに法律相談料を30分5250円で維持する法律事務所は少なくありません。法律相談料が30分5250円と設定されていてもその価格が高額でないという弁護士もいますが、弁護士が相互に切磋琢磨し、経営の合理的努力を重ねれば、法律相談の価格設定を低廉なものにすることは充分、可能だと思われます。法律問題で苦悩されている正当な相談者の方と早期にアクセスすることやその相談に充分、耳を傾け頭に汗をかきながら問題を解決する意思があるのであれば、30分という時間が短いことや5250円という価格に躊躇いを感じられる市民の方が多いということは弁護士としてある程度、職歴を積めば容易に想像がつくと思われるのですが反応が鈍い弁護士は残念ながら多いのが実情です。

法律相談は弁護士の助力を必要とされる方の最初の窓口です。法律相談は、弁護士との接点であり、特殊専門的な相談事案に対処する場合は別として、市民の身近な法律問題に対してはできる限り相談料を低廉にして人々との接点を増やす努力をすることが必要だと考えます。「市民のため」とか「もっと身近に」「敷居を低く」等というキャッチフレーズで顧客を誘う弁護士もいますが、法律事務所の経営努力が相談者や依頼者にしっかり反映し、法律事務所が人々に身近なものとなっているかどうかは弁護士との最初の接点となる相談料の価格設定が一つの目安だと思います。独占禁止法との関係で疑義のある報酬基準は撤廃されましたが社会の多様なニーズに応じて画期的な経営姿勢を表明する法律事務所は未だにそれほど多くはありません。