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債権回収は契約書の作成時点が勝負です

京都双葉法律事務所では債権回収のご相談をお受けすることがよくあります。「貸したお金を返してくれない。」「売買代金を支払ってもらえない。」ということで貸金債権や売掛金債権の回収のご相談をお受けすることがあるのですが、債権の回収は、最終的には、専ら債務者の資力によって決まりますので、債務者がまったくの無資力者である場合には債権の回収は期待できないのが現状です。同様に、債務者の所在を特定できない場合も、債権の回収は、事実上、大変困難です。

債権の回収のご相談というと、金銭消費貸借契約や売買契約を締結したのだけれど、約定の支払日に相手方が支払い義務を履行しないということで、困って弁護士のもとに来られる方が多いのですが、そのような事案は、大抵、債務者が無資力に近い状態であったり、行方不明であることも多く、債権回収の期待ができない場合が少なくありません。

債権の回収を確実に進めるためには、金銭消費貸借契約や売買契約を締結するにあたり、契約書を作成する段階で、債権確保のための手段を講ずることが必要となります。担保の設定はもとよりですが、債権回収のために工夫することは多くあります。債権回収の勝負の時点は契約締結時に既にあるのです。ですから、京都双葉法律事務所では、契約書を作成される際に、債権回収についてのアドバイスをさせていただいております。

債権回収の簡便な手段として強制執行認諾約款付公正証書を薦める方がおられます。強制執行認諾約款付公正証書は、公証人役場で作成される公正証書の一種ですが、特に債権が金銭債権である場合等に利用され、この公正証書を作成しておくと、判決を取得することなく、直ちに強制執行に着手できる利点があるため利用されることがあります。しかし、債権の回収は、結局は、債務者の資力で決まりますから、資力の乏しい債務者に対しては、強制執行認諾約款付公正証書も単なる紙片であることに変わりはないのです。