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譲渡制限株式の譲渡

株主はその有する株式を自由に譲渡することができます(会社法第127条)。この株式の自由譲渡により株主は投下した資本を機宜に応じて回収することが可能となり、株式投資が促進されるとともに、他面において政策的には、資本結合による大規模な企業活動の展開による社会経済の発展が期待できます。

これに対し、市場における株式投資による大規模な資本結合を設立当初から予定しておらず、親族等の限定された人的範囲での会社経営を予定している中小規模の企業では、流動性のある株式が譲渡され会社にとって好ましくない者が新たに株主となり、会社の経営に参画することに警戒感を持つ場合が少なくありません。そこで、会社法は、株式会社が発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けることができるものとし(会社法第2条1項17号、)、株式の自由譲渡性に対する例外、すなわち、株式の譲渡制限を可能ならしめる規定を設けています。株式は本来、自由に譲渡されるのが原則ですから、株式の譲渡につき株式会社の承認を要する旨の規定をおくことは例外的処置なのですが、我が国における多数の中小規模の企業では、株式の譲渡について株式会社の承認を要する旨を定款で定めているところが圧倒的であり(会社法第107条2項1号)、譲渡制限株式を発行している非公開会社は少なくありません。

譲渡制限株式が発行されている場合でも、株式の譲渡は本来、自由であるのが原則ですから、譲渡制限株式を保有する株主も当該株式を譲渡することは可能です。しかし、株式会社の承認を得ないでなされた当該譲渡制限株式の譲渡は、譲渡当事者間では有効ですが会社に対する関係では効力を生じません(最高裁昭和48年6月15日第二小法廷判決)ので、株式を取得した者は会社に対し自己が株主であることを主張できません。

そこで、法は譲渡制限株式を取得した者を保護する観点から譲渡制限株式の譲渡承認や買取りの制度を設けています(会社法第136条以下)。譲渡制限株式は任意譲渡される場合だけでなく競売により取得される可能性もありますからこのような法による取得者の保護は重要となります。