法律の格言に「権利の上に眠る者を法は保護しない」という格言があります。これは「時効」と関連する法格言として知られています。
時効とは一定の期間の経過により権利義務の得喪を生じさせる法制度で、例えば、AさんがBさんに対し300万円を貸したところ、Aさんがこれを回収せず5年間、放置していると、原則として、AさんはBさんに対し300万の返還を求めることが法律上はできなくなってしまう可能性があります。あるいは、AさんがBさんの敷地を20年間にわたり不法占拠していた場合、原則としてBさんの敷地は、法律上、Aさんのものなってしまう可能性があります。
恐るべき話ですが法律上はそうなのです。
これは権利の上に眠る者を法は保護しないという概念を背景とするもので、権利というものは義務とは異なりそれを放棄することも可能であり(権利放棄)、権利者は権利を実現するために費用と時間をかけてこれを守り抜く責任があるということで(逆に、放置すれば権利を失うということで)、自分の権利を誰かが守ってくれるという発想は禁物であるということです。
日本人は依存的気質の方が多く、権利は役所や弁護士がこれを守り、実現してくれるものと誤解している人が散見されますが、役所も弁護士も権利のために闘争することを怠らず、不断の努力を続けている人を受け入れ、あるいは支援するものです。ですから権利を守るのは第一義的には権利者自身です。当然と言えば当然のことですがこれを理解されていない方は意外と多いものです。
この点は、日本国憲法においても記載されており、「この憲法が保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」(第97条)、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」(第12条)と明記されています。自分の権利は自分で守り抜くものです。弁護士は“正当な”権利者をビジネス上、サポートするに過ぎません。不断の努力を怠り油断すれば、権利を失い、人は、奴隷の道を歩むことになるでしょう。
法律を知らないことはその人の責任を免責させるものではありません。「法律を知ろうとすること」が大切なのです。法治国家において、法律を知ろうとしないこと自体が罪なのです。
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