自己株式とは株式発行会社が保有する当該株式発行会社の株式をいいます。何だか難しいことを言っているようですが、例えば、京都双葉株式会社がその発行した京都双葉株式会社の株式を保有している場合に、その株式が自己株式に該当します。株式会社は法が許容する例外(会社法第155条)に該当しない限り、原則として自己株式を取得することは認められません。 自己株式取得禁止規制に違反して自己株式を取得した場合、当該株式の取得は無効となります。
自己株式については従来、その取得が規制されており、例外的にしかその取得が認められてきませんでしたが、株価の維持や敵対的買収からの防衛手段等を理由に自己株式規制の緩和を要請する動きが強く、2006年(平成18年)施行の会社法は広範囲に自己株式の取得を許容しています。
自己株式の取得が規制されている理由については従来から様々な理由が指摘されていましたが、最も大きい理由は、資本の払戻しによる資本の空洞化を避けるという点です。
資本の払戻しによる資本の空洞化とは、例えば、双葉さんが京都双葉株式会社の株式100株を100万円で購入したとします。その後、京都双葉株式会社が双葉さんから双葉さんが購入した100株を100万円で取得すれば、京都双葉株式会社と双葉さんとの間には、株式の売買があったように見えますが、実際は、京都双葉株式会社と双葉さんとの間で金銭の往復があるに過ぎず、京都双葉株式会社は結局、双葉さんに支払われた資本100万円を払い戻したことになり、京都双葉株式会社は株式を発行していながら資金を取得できず、京都双葉株式会社の債権者の引き当てとなる財産は空洞化することになります。京都双葉株式会社が双葉さんに100万円を支払い、株式を取得した場合はまだしも、双葉さんから200万円で株式を取得したとすれば京都双葉株式会社の資産が減少することは明らかですね。これは落語の花見酒に似ていますが、自己株式の取得規制は正にこの点が規制の主たる理由とされていたものです。
ただ、例えば、合併や吸収分割等により、合併により消滅する会社等から自己株式を承継する等、自己株式を株式会社が取得しなければならない場合もありますし(会社法第155条1項11号、12号)、資本の払戻しに配慮し自己株式の取得に際しての財源規制を設けていれば、自己株式の取得を強く規制する必要性は減少します。
会社法はこれらの点に配慮しつつ、自己株式を取得できる場合を定めていますが、次項では、会社法施行に伴い導入された株主との合意による自己株式の取得についてご説明いたします。
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