会社法制は頻繁に法改正がなされている法分野の一つです。弁護士のなかには弁護士としての経歴の長さを誇張、自慢する人物が時折いますが、法制度が改正されれば、弁護士は改正法の知識を吸収しなければならず、それはまるで双六の振り出しに戻るような感覚で、一からの謙虚に法を学ばねばならず、日々の研鑽こそが極めて重要であり、改正法や制定新法の理解のための努力が不可欠で、弁護士の能力を考えるとき弁護士経歴の長さは実のところそれほど重要ではなく、変化に即応できる柔軟な思考力と日々の地道な努力の積み重ねがその手腕の判断に際し大切となります。
2006年(平成18年)に制定された会社法では、株式会社が株主との合意により自己株式を有償取得することが認められました。株式会社が株主との合意により自己株式を有償取得するためには、株主総会の特別決議により取得する株式数や取得期間等を定めなければなりません(会社法第156条)。
また、株式会社が株主総会決議に基づき自己株式を取得する場合には、その都度、取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)や株式を取得するのと引換えに交付する金銭の総額等法定の事項を決定することが必要となります(会社法第157条)。この決定は、株式会社が取締役会設置会社の場合には取締役会の決議で行います。
株式会社が会社法157条1項所定事項を決定した場合には、非公開会社の場合には株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類株主)に対し通知を行わなければならず、公開会社の場合には、通知または公告を行わなければならないことになっています(会社法第158条)。
通知を受けた株主は、株式会社に対し、譲渡する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにして譲渡の申込みを行います。譲渡の申込みがなされた場合、株式会社は会社法第157条1項4号の期日において株式の譲受けを承諾したものとみなされます(会社法第159条2項)。
また、株式会社は株主総会の特別決議により取得する株式数等を決定するに際し、特定株主に対し会社法第158条の通知する旨を決定することにより特定株主との間で合意により自己株式を取得することも可能です(会社法160条)。
この場合、定款による排除がない限り、株主総会の原則として2週間前までに株主に対し、特定株主に自己を加えたものを株主総会の議案とすることを請求できる旨を通知しなければならず、通知を受けた株主は原則として5日前までに特定株主に自己を加えたものを株主総会の議案とすることを請求することができます(会社法第146条、160条2項、3項、会社法施行規則第28条、29条)。
いずれの場合でも取得には財源規制(会社法第461条)の適用を受けます。
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