物価が逐次、上昇しており、仕入れコストの上昇による収益の圧迫に危機感、焦燥感を抱かれる経営者の方々も少なくないと思われます。インフレは世界的傾向でもあり、これは、物やサービスの需給バランスだけでなく、通貨の価値が下落していることを意味していますが、我が国の通貨も2026年5月に財務省が実施した特別会計を利用した巨額の為替介入にもかかわらず、円安の傾向に現時点では変化はなく、我が国の通貨である「円」の通貨価値の下落傾向が鮮明化しており、インフレ対策は、今後、事業経営上、重要な対策課題となります。
事業経営上のコンプライアンス遵守及び紛争予防の観点から取引先との契約書の策定及び契約書による契約の締結は必須の課題ですが(契約は、法令上の例外を除いて、原則として、口頭でも成立しますが、それは法律学の研鑚を積む学生の理屈で、実務的ではありません。)、この契約書には、大別して、単回の取引に係る契約書と継続的な取引に係る契約書があります。
単回の取引に係る契約書は、個々の単発的な取引に際して締結されるものですので、当該取引の際に契約条件を調整すれば、原則として、問題はありませんが、継続的な取引に係る契約書は、契約締結後、2年や3年、あるいはそれ以上の期間にわたって継続的に取引を継続していくものですから、契約締結時の契約条件を維持しつつ契約を継続してしまいますと数年後には物価の変動等により契約締結時の契約の拘束力を維持し続けることが不当になる場合もあります。
これに関する一つの事例として、継続的な契約である賃貸借契約において、契約締結時の賃料を維持し続けることが時間の経過により不当となる場合があり、その対処方法として、借地借家法では、賃料増減額の請求を認める場合もありますが(借地借家法第11条、32条)、実務的には、契約締結後、数年後に賃料の増減額を請求しても裁判所がその請求を容易に認容するわけでもありませんし、そもそも、賃貸人及び賃借人で調整が不能であれば、裁判手続によらなければならず煩瑣と言えます。
対策方法としては、継続的契約を基本契約として個別契約において調整することが可能となる場合もありますが、前述の賃貸借契約のように契約類型次第では必ずしも契約締結後、個々の個別契約を締結するわけではないものもありますのでその方策が万能でもありませんし、個別契約が物価の変動等で成立しなければ、基本契約の価値は減殺されてしまいますので、契約における債権の価値を維持するうえで必ずしも効果的な対策でもありません。
そこで、契約締結の時点で、物価の変動等のインフレ対策を踏まえた契約書を予め起案しておくことが事業経営者として将来を変化を先取りした賢明な法務対策となります。
京都双葉法律事務所では、インフレ時代に対応可能な契約書の起案を推奨しております。インフレ対策を織り込んだ契約書の起案をご検討の経営者の皆様は、是非、当法律事務所にインフレヘッジの契約書についてご相談ください。
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