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強欲な相続人の代理人弁護士から書面通知は要注意!

Inheritance

近年、我が国では、死亡者の数が増加しており、日本の人口は5年前と比較して309万人余りの人口が減少したと報道されています。相続は、被相続人の死亡により発生しますので(民法第882条)、死亡者数の増加は、相続事案の増加を意味しますが、近年、特に、感じさせられる問題として、弁護士等の資格士業者から相続人に対して事実上の相続放棄を迫る事案が見受けられることです。

相続の放棄は、家庭裁判所に対し、一定の期間内に相続放棄の申述をすることが基本原則で(民法第938条)、相続放棄をしますと相続人は初めから相続人とならなかったものとみなされますので(民法939条)、その相続に関し、被相続人(相続される方・要するに亡くなった方ですね。)の資産を承継されないだけでなく、負債等を承継することもありませんので、被相続人に負債が多い等の事案の場合は、相続放棄により親や兄弟等の被相続人の債務から解放されることが法律上、可能となります。親等の債務を子が承継し、代々、債務が引き継がれる債務奴隷はこの相続放棄制度により否定されています。

他方で、事実上の放棄は、相続放棄とは厳密には異なりますので、遺産分けの話し合いで、遺産を放棄し(家庭裁判所に対する相続放棄申述の手続をとらず、遺産だけを放棄することを事実上の放棄といい、遺産分けの話し合いで、遺産を放棄する場合がこれに該当します。)、相続放棄の手続をとらなかった場合は、後日、被相続人の負債が判明した場合、原則として、その負債を法定相続分に応じて承継しなければならなくなりますので、遺産は承継せず、負債だけを承継することが起こり得ます(但し、最高裁の判例で救済される余地もありますが、債権者から追及を受ける可能性もあり紛議に巻き込まれる可能性は否定できません。)。

近年、弁護士は勿論、弁護士以外の資格士業(司法書士や税理士等)から相続人に対し、共同相続人の一人の代理人等の立場で(弁護士は、特定の相続人の代理人として他の相続人との間で遺産分けの交渉ができますが、弁護士以外の資格士業は、原則として、交渉の代理事務を行うことは弁護士法で厳格に禁止されており、犯罪です。※不動産業者の家賃回収業務等と弁護士法違反ー不動産の売買・賃貸借についてーを参照)事実上の相続の放棄を迫る書面が送付されてくることがあります。

弁護士以外の資格士業の場合は、交渉事務自体が犯罪ですので、対応としては無視することになるでしょうが、弁護士からの通知書面ということになると、弁護士だから尤もだと思い油断してしまうことがありますが、各相続人には、法律上、法定の相続分があり、原則として法定相続分は法律上、必ず保証されているものですから充分、検討することなく遺産を放棄することは賢明ではありません。近年、You tube等のインターネットでもっともらしく法定相続分は必ずしも保証されるているものでない等といった曖昧な情報を発信する無資格の情報発信者が散見されますが(インターネットの情報は、発信者次第では情報の信憑性について懐疑的な側面があり注意が必要です!)、法定相続分は原則として法律上、必ず保証されているものです。

ですから安易に遺産を事実上放棄したり、ましてや後日、負債が判明した場合に負債の処理に巻き込まれる可能性があるにもかかわらず、この点について弁護士等から充分な説明を受けずに、遺産の放棄に係る書面に署名・押印をすると「覆水盆に返らず」で後の祭りとなってしまいかねません。

弁護士からの通知書面は「その通知書面の発送をその弁護士に依頼した特定の相続人」の利益を守るものであって、依頼されていない相続人である貴方の利益を守るものではありません。貴方の権利は貴方自身で守る姿勢を持つことが大切です(権利の上に眠る者を法は保護しないー法を知ろうとしないことの罪ー参照)。

法律は、知らない人に味方するものではなく、知っている人に味方するものです。相手方の弁護士の見解を鵜呑みにせず、ご自身の知的判断で貴方の法的ポジションを冷静に確認する姿勢を持つことが常に大切です。

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京都双葉法律事務所 弁護士 中井基之(京都弁護士会所属)
京都府長岡京市滝ノ町1丁目5-14 TEL:075-950-0648
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