事業の円滑な承継を確保するため、「円滑な事業承継のために」というタイトルで「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」をご紹介しました。
一族会社で創業者が他界された際、相続に伴う紛争を未然に防止するため同法を活用して遺留分に関する問題等に事前に対処しておくことはとても有益なことです。
この法律を活用するほかに支配株主の株式支配比率を確保し、円滑な事業承継を図る方法として会社法第174条以下が定める相続人等に対する譲渡制限株式の売渡請求があります。
株式会社は、相続その他一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができ(会社法第174条)、株式会社は定款の定めに従い、株主総会の特別決議(会社法第309条2項3号)で当該会社の譲渡制限株式を承継した相続人に株式の売渡請求を行うことができます。
株式会社が譲渡制限株式を承継した相続人に売渡請求をした場合、その売買価格は株式会社と相続人との間の協議で定めることになりますが、協議が成立しない場合には、株式会社または相続人等は売渡請求があった日から20日以内に裁判所に売買価格決定の申立てをすることができます。この場合、売買価格は裁判所が決定した価格が売買価格となります(会社法第177条4項)。
株式会社の行う当該売渡請求は相続があったことを知った後、1年を経過した場合はできませんし、売渡請求から20日以内に売買価格決定の申立てを裁判所に行なわなければ、原則として請求はその効力を失いますので、価格の協議が成立しないようであれば、申立てを急ぐ必要があります。
譲渡制限株式についてはその価格算定が難しく協議は難航しがちです。また、株式会社の当該株式の取得は自己株式の取得に該当しますので(第155条)、自己株式取得規制との関係で注意が必要です。京都双葉法律事務所では税理士等と連携し安定的な株式の取得と事業の承継が実現できるよう応援させていただきますので関心をもたれた事業者の方は是非、ご相談ください。
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