京都双葉法律事務所は京都府長岡京市に事務所を設立しました。
長岡京市と隣接する向日市、大山崎町の2市1町を併せて「乙訓(おとくに)」といい、乙訓地域は昔から竹林が多く、「竹の子」は乙訓地域の特産品です。
乙訓地域のほか京都市西京区の「塚原」産の竹の子も乙訓地域の竹の子と並ぶ格別の特級品で、高級料理店ではいわゆる「ブランド竹の子」として取り扱われています。
乙訓、塚原産の竹の子は、それが特級品であれば、とても白く、極め細やかな肉質で、「口の中で溶けていく」といった表現をしても過言ではないくらいのその食感は卓越した柔らかさです。
乙訓で育った私は、子供のころからこの地域の竹の子の味に親しんでまいりましたが、この地域の竹の子は他に追随を許さない「日本一」の竹の子であると思っています。
ただ、皆様が長岡京にお越しになられ店先で販売されている竹の子がすべて格別であると思われ吟味することなくお買い求めになられることはお薦めしません。
この地域で収穫される竹の子にも質の差はあるからです。
良質の竹の子を取得するためには目利きが必要となりますが、信頼できる地元の方に聞かれることをお薦めします。
また、長岡京は、菜花の特産地でもありますし、向日市は茄子の特産地です。茄子と言えば大阪泉州の水茄子が有名ですが、向日市の茄子もとても美味しく、私は向日市産茄子の格別の調理法を心得ていますがここでの公開は見送ります。
さて、製造物責任法は、「製造物とは製造又は加工された動産をいう」と規定し(同法第2条1項)、製造物の範囲を定義づけています。
製造又は加工されたことが要件となっていますから、自然に産出される農作物や水産物は「製造物」に該当せず除外されます。
従って、仮に収穫した朝掘り竹の子を食べて竹の子に混入していた雑菌が原因で竹の子を購入した消費者が食中毒を起こすことがあっても竹の子の生産者が製造物責任を追及されることはありません(同法所定の「加工」の概念を広く解釈しても収穫された竹の子を「製造物」とみるのは困難だと思われます。)。
しかし、竹の子を調理して佃煮や漬物として出荷する等した場合に、竹の子に雑菌が含まれていたため竹の子の加工品を購入した消費者が食中毒を起こした場合には、竹の子を調理した業者は製造物責任を追及される余地があります。
製造物責任法が規定する製造物は、「製造又は加工された動産」ですから動産ではない不動産(民法第86条参照)は同法が規定する製造物に該当しませんし、動産は固体、液体、気体等の有体物としての特質を有するものですから電気やソフトウェア等の無体物は動産ではないので同法が規定する製造物にあたりません。
製造物責任というと自動車やテレビ、エアコン等の家電製品を連想される方が多く、飲食店で提供される調理された飲食物が「製造物」であると思われない飲食業者の方も多いのですが、製造物責任を追及される余地がありますので注意が必要です。