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訪問販売事業者の方は要注意-合理的資料の保存義務-

Corporate Law

行商で有名な富山の薬売りや「フランダースの犬」でおなじみの牛乳の移動販売等は、訪問販売の一種とも思われますが、訪問販売は店舗を設営することなく、小額の資金で事業をはじめることができる一方、必ずしも商品等の購入を希望しない方のところへ赴き、商取引を行うわけですから、しばしばトラブルになることがあります。特に、最近では、消費者庁の設置とともに消費者保護の法制が整備され消費者保護が特に重視される時代のなかで、訪問販売事業者やその他通信販売事業者等に適用される「特定商取引に関する法律」に対する理解は、訪問販売をその業務内容として含む事業者(法人であると個人であるとを問いません)には必須の検討課題です。

特定商取引に関する法律第2条では、訪問販売について、①販売業者又は役務の提供事業を営む者が営業所、代理店、その他主務省令で定める場所以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う契約のほか②販売業者又は役務提供事業者が営業所等において、営業者等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う役務の提供を訪問販売と定義していますので(法2条1項)、顧客宅を訪問する場合だけではなく、俗に言う「キャッチセールス」も適用の対象となります。

しかも、法の改正により商品や役務に制限がなくなりましたので、幅広く適用の可能性があり、法定の契約書面等の交付(法4条以下)やその他禁止事項(法6条)を遵守することが必要となります。

特に、販売事業者や役務提供事業者に対しては、顧客を勧誘するに際し告知した事項が不実の事項でないかどうかを判断するための告知事項の裏づけとなる合理的資料の提出を求められることがあり(法6条の2)、事業者の方は顧客との取引にあたり平素より後日のトラブルを回避するため必要な合理的資料を準備しておく必要があります。どのような資料の準備が必要であるかは、取引の内容により異なりますので弁護士に是非ご相談ください。

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京都双葉法律事務所 弁護士 中井基之(京都弁護士会所属)
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