人に対する信頼評価の基準の一つは、約束を誠実に守るかどうかという点です。凡そ、約束を破る人は信頼してはいけませんし、人に対する信頼は「言葉」ではなく、「行動」で判断すべきものですから、約束ではなく、約束を誠実に守るという「行動」こそがその人物を推し量るうえでの重要な判断の要素なのです。
約束を誠実に守ることが重要であるのと同様に、法的拘束力のある約束である契約は、「契約は守られるべし」が大前提であり、契約違反(契約不履行)は許されるものではありません。契約と約束とを混同されている方を時折、見かけますが、契約は法的拘束力があり、その違反の場合、原則として法的に強制可能な制裁を伴うに対し(但し、例外的に強制力がないもの等もあります。)、約束は、道義的なものですのでその違反に法的制裁を伴うものではありません。但し、いずれにせよその違反は社会的信用を失墜させますので、契約も約束も遵守することがとても大切です。
ただ、そうはいっても、真面目に事業をされていても様々な要因で経営に行き詰まり、返済不能な多額の負債を抱え、契約上の債務の返済が著しく困難となる方もおられます。収入及び資産が負債の返済に追い付かなくなった場合、何らかの形で負債の軽減を図る必要に迫られます。このような負債の軽減を図る行為を「債務整理」といい、それには「任意整理」と呼ばれるものと「法的整理」と呼ばれるものがあります。
任意整理は、債権者との協議で債務の支払いを軽減する方法ですが、消費者金融を債権者とする債務の任意整理の実務では、一般に和解契約締結時までの元本と利息・遅延損害を分割して弁済していく方法(和解契約締結時以降の将来の遅延損害金の支払いは整理の結果、免れます。)がとられます。
他方、法的整理には、大きく分けて再生手続(個人再生手続)と破産手続があり、前者の場合は、法律に基づいて計算した一定の金額(最低弁済額は100万)を原則として3年、例外的に5年の範囲で分割弁済することになります。再生手続を採用すると住宅ローンを除いた他の債務を軽減することが可能であり、住宅ローンの支払いを継続しつつ他の債務を圧縮できますので、住宅を残すことが可能となりこの再生手続を選択される方もおられます(住宅ローン債権者:特に、銀行が有利に扱われている制度ですね。)。
債務者の経済的更生として任意整理や個人再生手続による支払いが可能であれば、一般論としてこれらの制度によることが望ましいのですが、もうお分かりのように、これらの制度では、整理後、3年、5年あるいはそれ以上の期間にわたり、軽減されたとはいえ負債の返済が継続していきます。整理により、月々の返済額は、整理前と比較して減額されるのですが、返済期間が延びる場合も多いですし、整理しても結局は、負債の返済に行き詰まり、再度、整理をしなければならない方もおられ、弁護士等の専門家に再度、整理を依頼しなければならないこともあります(再度、依頼される弁護士等は儲かるのかも知れませんが、これは債務者にとっては良くないことですね。)。
ですから、免責を受けられる見込みであれば、最初から破産手続を採用された方が長い目で見た場合、負債から解放され、経済的更生を進め易くなりますので、「破産」というネガティブなイメージに惑わされることなく、その選択肢を最初から採用された方が良いのではないかと思うことがしはしばあります。
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