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著作者人格権に注意!

Intellectual Property

・著作権法には、著作権以外に著作者人格権というものがあります。
著作権はなんとなく理解できると思います。コピーしたり、ネットに流したりできる権利です。言い換えれば、コピーされない権利やネットに流されない権利とも言えます。
意外と知られていないのは、著作者人格権というものです。例えば、公表する時期が重要な場合があり、その公表する時期をコントロールできるようにしたものが著作者人格権の一つである公表権なのです。公表権以外の権利もあります。
著作権法が理解されにくい点として、○○権という権利がたくさんあることです。著作者人格権には、公表権と氏名表示権と同一性保持権という3つがあります。著作権には、複製権、上映権、公衆送信権などいくつかの権利があります。もっとややこしいのが、展示権という権利は、美術と写真の著作物についての権利で、配布権という権利は、映画の著作物についての権利で、著作物の種類によって、発生する権利が違うのです。
そのようなややこしい話は別のサイトや書籍に委ねるとして、著作者人格権の一つである「同一性保持権」について説明します。
・同一性保持権とは
話が難しくなってきたので、簡単に説明します。簡単に言うと、例えば、有名な画家が描いた山の絵の頂上に靴の絵を大きく付け加えたとします。もし、あなたがその有名な画家だったら、どう思いますか? 腹が立つでしょう。それが同一性保持権です。もちろん有名な画家の絵だけではありません。そこ(著作物)にそんなこと(著作者が腹立つようなこと)したらダメですよ、というような権利です。
まあ、絵画に落書きするようなことはしなくても、文章ならば、勝手に変更することはあり得る話です。
・引用との関係について
本を読んでいると、「○○という本には□□と書かれているが、私は△△だと思う。」というような記述を見たことがあると思います。これは他人の文章を勝手に変更したのではなく、「引用」として著作権法上許される行為なのです。本来ならば、自分の意見を否定されたのだから怒りにつながりますが、ここでは言論の自由が優先されます。
・何が問題か
著作権侵害の場合は、ある程度、侵害の範囲が予想できるのですが、同一性保持権の場合は予測できないのです。著作者の意に反しているか否かがポイントになっているので、これぐらいなら大丈夫だろうと予測しにくいのです。
難解な漢字にルビを振ることまで同一性保持権の侵害だと言われるのも困ります。しかし、改行一つにしても、通常は読みやすくするために改行しますが、そこで改行すると、前後の話の続きがおかしくなると言う場合には、同一性保持権の侵害になるかもしれません。これは非常に難しい問題なので、専門家にご相談されることをお勧めします。

京都双葉法律事務所 弁護士 中井基之(京都弁護士会所属)
京都府長岡京市滝ノ町1丁目5-14 TEL:075-950-0648
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