弁護士の職務に従事していて私が強く感じることは、国家は債務者に優しいということです。債務者というと暴力金融からひどい取立てを受ける弱い債務者を想定しがちですが、債務者にも様々な人がいます。債務を履行せず、債権者から債権の追及をされると自分の資産を隠して、債務の返済をまったく行なおうとしない悪質な債務者もいます。「どうせ最後は破産すればいいや。」と思って安易に借財を繰り返す人もいます。
債権者に対する関係で債務の引き当てとなる債務者等の財産を責任財産といいますが、この責任財産を探索することは容易ではありません。法律的には、財産開示手続という制度があり(民事執行法第196条以下)、債務者に対しその財産の開示を求める規定が用意されていますが、運用上、限界があり、充分、機能しているとは言えません。逆に、債務者に免罪符を与える破産制度は、免責不許可事由といって、債務者の債務の免責を認めることが相当ではない法定の事由が認められる場合(破産法第252条1項)には、債務の免責が認められないことが法律上、原則となっているのですが、裁判所による裁量免責(破産法第252条2項)が比較的広範囲に認められていますので、結果的には、免責が認められるケースが多く、これを債権者の側から見れば、債権の追及を断念せざるを得ないお墨付きを国家が債務者に与えるわけですから、たまったものではないというのが率直な感想でしょう。債権の回収は、債権者の責任だと言ってしまえばそれまでですが、債務者の責任財産を把握できず、債権の回収に苦労されている債権者が多いのが実情で、我が国では、債権回収のための法整備が極めて不充分だと思われます。
他方、債務が存在する場合、債務を履行しなければならないのは当然ですが、債務が存在しないにもかかわらず、債務がある等と言って債務の履行を求め、面会を執拗に強請したり、本来の債務額以上の過大な債務の履行を求め不当な金銭の取立てを行なう悪質な債権者がいるのも事実です。民事介入暴力事案の一種ともいえますが、このような事案に遭遇された場合には、必ず、速やかに弁護士に相談してください。弁護士による迅速な対処が必要です。
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